京極夏彦の「鉄鼠の檻」の次は、
七河迦南「七つの海を照らす星」を読みました。
「七つの海を照らす星」 は、
七海学園シリーズの1作目です。
「七」が多くて、ゲシュタルト崩壊を起こしそうです(@Д@;
ちなみに、著者は「ななかわ かなん」と読みます。
家庭では暮らせない子どもたちの施設・七海学園で起きる、
不可思議な事件の数々。
行き止まりの階段から夏の幻のように消えた新入生、
少女が六人揃うと“七人目”が囁く暗闇のトンネル…
子どもたちが遭遇した奇妙な事件を解明すべく、
保育士の北沢春菜は日々奮闘する。
過去と現在を繋ぐ六つの謎、
そして全てを結ぶ七つ目の謎に隠された驚くべき真実。
第18回鮎川哲也賞受賞作。
短編集。だけど、順番通りに読むべし
舞台は、2歳~高3までの子供たちが暮らす児童養護施設「七海学園」
主人公は、七海学園に勤務して2年の保育士 北沢春奈24歳。
1話ずつ、話の中心になる子供が変わる読み切りの短編集です。
が、必ず最初から順番通りに読んでください。
順番通りに読む事で、
ラストで短編全てに関係する謎が明らかになります。
日常の中にある謎とミステリー
この本では、凄惨な殺人事件は起こりません。
日常の中にあるちょっとした謎や不思議を、ひとつひとつ丁寧に解き明かしていきます。
ツライ話もあったけれど、
読後感はとても良かった。
希望と、あたたかい涙で幕が閉じるような、そんな本でした。
作中に、回文がすごく頻繁に登場します。
すごいなぁよくこんなに回文思いつくなぁ・・・と感心しつつも少し食傷気味になりました💧
けれど、全体にすごく読みやすく、どんどん本の世界にのめりこめます。
登場人物の1人に、海王(かいおう)さんという児童相談所の担当福祉士の中年男性がいるのですが、私は個人的にこの人にものすごく好感を抱きました。
穏やかで、静かで、
インパクトはないけれど
懐が深く、頭が良く、
芯が強いけれど柔軟な人。
理想だ・・・。
心に留めて、お手本にしたい。
続編「アルバトロスは羽ばたかない」も文庫本化されています。
気になる!