365日読書したい!

できれば365日読書したい本好きが綴る日々のあれこれ。本の紹介は基本ネタバレ無し。

アガサ・クリスティー「スリーピング・マーダー」の再読から始める

入院・手術が決まった後、私は本を何冊も準備していました。

入院生活が、1日を生き延びるのに必死な時間になるなんて事も

本が読めなくなるなんて事も

まったく想像していなかったので

約1ヶ月もある入院生活、

きっと退屈だろう・・・と😅

 

詳細な入院生活については、

「聴神経腫瘍が見つかりました」

に記すとして・・・。

 

入院生活も後半に入り、そろそろ退院を視野に入れて・・・という辺りだったでしょうか。 

少しずつ本を開けるようになってきました。

当時読みかけだった「鉄鼠の檻」(著:京極夏彦)を読もうと試みたのですが

元々難しい単語が多い小説だったため、字をまともに追えない私はすぐに諦め、

以前読んだ事があり、かつ再読したいと思って準備していた

アガサ・クリスティーの

「スリーピング・マーダー」

を読む事にしました。 

あらすじ「スリーピング・マーダー」

2019-11-26アガサ・クリスティー「スリーピング・マーダー」

若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、観劇に行ったグエンダは、芝居の終幕近くの台詞を聞いて、突如失神した。彼女は家の中で殺人が行われた記憶をふいに思い出したというのだが・・・ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。

 

(スリーピング・マーダー 文庫本裏より引用 )

 

ミス・マープルの静かな活躍

最初に「スリーピング・マーダー」を読んだのは、結婚前だったのでもう15年程前になります。

その時の読後感が好きで、面白かったなと印象に残っていました。

 

そして、入院する1年ほど前に

以前、NHK総合テレビで放送されていた、

「アガサ・クリスティーの名探偵 ポワロとマープル」

というアニメをみる機会がありまして視聴していたのです。

(放送:2004年7月4日から2005年5月15日)

そこに、「スリーピング・マーダー」もあり、とても懐かしくなりました。

 

アニメでは、独自のキャラクターとして、

ミス・マープルの甥レイモンドの娘である16歳の少女「メイベル」が登場しています。

うまい具合に、ポワロとミス・マープルの事件を橋渡ししており

スリーピング・マーダーの回では、

アニメ独自の展開でメイベルとミス・マープルが、主人公のグエンダと行動を共にしていました。

グエンダを主人公にしつつも、ミス・マープルが大活躍しています。

 

ああ、そうだった!これ好きだったなぁ!と、再読したくなり新しく文庫本をゲットして入院に備えていたのです。

 

術後、最初に読了した本ということで、

内容を堪能するというよりは、

文字を読むリハビリという側面が大きかったです。

でも、それでもやっぱり、とても面白かった😊

 

15年ほど前に読んだきりだったので

詳細を忘れている事も多く、

アニメではちょろっとしか登場しなかった、グエンダの夫「ジャイルズ」が予想外の活躍をしていて驚きました。

 

ジャイルズ・・・君、いい夫だな・・・と、

内容には関係のないところで、しみじみ(*≧∀≦*)

 

ミス・マープルは、要所要所で静かに事件を導くのみで

大活躍というわけではありませんでした。

あくまで、グエンダとジャイルズの若い夫婦を中心に物語は進みます。

 

ところで、この作品は、

アガサクリスティーが執筆を終えたものの公開はせずストックしておき、クリスティの死後発表された作品として有名です。

 

再読後、

クリスティーがこの作品を、

ミスマープル最後の事件にした理由が

何となくわかるな~

と感じました。

なんとなく、しっくりくるというか。

 

本を読み終えた後に、なぜだかミス・マープルのあるシーンを思い出しました。

どの本のどんな場面で出てきたシーンだったのかを思い出せないのですが

 

ミスマープルが新興住宅地?かどこかを散策中、新しい家を見学している若いカップルのアクシデントに遭遇するというシーン。

女性が、バルコニーかどこかから転落しそうになっているのだけれど

一緒にいた恋人の男性は、自分も足が竦んだのか助けようとしない。

女性は、ほかの人に助けられ、

その一部始終を見ていたミスマープルは、

 私だったらこの結婚はやめにしますね

 自分の危機に手を差し伸べないパートナーなんて!

というような事を忠告したいのだが、せずに立ち去る。そして、自分が忠告したところで、結局はこの若い二人は結婚することになるのもわかっている・・・

 

というような場面でした。

ううむ・・・

ウロ覚えにも程がありますね💧

 

ミスマープルは、

「妻を殺そうとする夫は大勢いますからね」

というようなセリフをよく言います。

「私くらいの年になると人間性というものがわかるようになる」

というような事も良く言います。

そして自身も独身を通している事から

結婚というものにあまり夢を見られない女性だったのかなぁ~と

勝手に想像したりしていました。

 

その邪推からすると、

アガサ・クリスティーがこの作品を、

ミスマープルの最後の作品にしたのも

なんとなくわかるような気がするのです。

 

「へ~・・・どういうこと?」

と思ったあなたは、是非ご一読を。

 

 

 

☆この記事を書いた人☆
すみれのプロフィール すみれ(ID:sumire365books)
できれば365日読書したい本好き。
かわいい雑貨・手帳も大好き。
色々勉強中です♪